フリーランスの日々の記憶

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「あしたのジョー」よりも面白いマンガ

というと語弊がありますが、

ちば先生のマンガの中で一番好きなのが「おれは鉄平」です。

勿論「あしたのジョー」は名作ですが、映画で言うと「シンドラーのリスト」のような名作。「おれは鉄平」は「寅さん」のような名作です(全然わかりづらいか・・)。

 

大きく分けると「やんちゃ少年編」「剣道一直線編」「宝探し編」に分かれています。

他の2編も読みやすくて大変面白いのですが、特に「宝探し編」は数あるマンガの中で一番面白いと思っています。

 

山の中で宝探しをする父と共に暮らす野生児鉄平が、実はいい所の坊ちゃんであることが分かり、連れ戻されて格式ある学園に入れられる「やんちゃ少年編」。この「やんちゃ」は、ダイナマイトで警察署を爆破したりする系統のやつです(ギャグで描かれるので子供も大丈夫です)。

 

そして「剣道一直線編」は一番長く、ここでの見どころの一つには、他の剣道漫画と違い、相手の技を観察したり盗んだりして汚く勝つという所がありますが、それも含めて野生児だった鉄平の「勝つ事への執念」が垣間見られて、とても勇気がもらえます。ライバル達も決して超人ではない、本当に居るような少年達です。

 

最後の、一番好きな「宝探し編」では、ボヤを出して停学になった鉄平と学校の悪友が、鉄平の父の宝探しに無理やり同行し、そこで洞窟に閉じ込められるところが最高に好きです。あくまでも「リアル」に描かれたこのシーンには映画「大脱走」にも負けない「生きる事への執念」が感じられ、それまでのギャグテイストから急にシリアスになります。その後、鉄平たちはどうなるでしょうか。いや、多分このサイトを見て単行本を読む人はいないと思うので言ってしまうと、もちろん脱出出来て、その最後の1岩を取り除くシーンは自分まで助かったようなカタルシスが得られます。

 

と、ほぼネタバレになってしまいましたが、この「おれは鉄平」は泥臭く人間の生活の匂いが感じられる数少ないマンガだと思っています。今の「殺人」がどうだというマンガにはない、とにかく「生きるって楽しい」と思えるマンガです。

 

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